2013年3月24日 (日)

87千日手の変化にはならなかった。渡辺竜王は寄せを目指している。次は▲2四飛△1三玉▲3二金以下、後手玉に必至がかかる。控室では△3五銀の受けが検討されていたが、郷田棋王は△7八飛成と飛車を切った。これで寄っているのだろうか。


M001
(窓の外では炎が揺れている)

(牛蒡)

78渡辺竜王は残していた時間をここで投入。勝負所とみているようだ。
控室では千日手の可能性も指摘されている。たとえば▲4一角△3二桂▲2五歩△同歩▲同飛△2四歩▲8五飛△6七金▲6八金打△7八金▲同金△6七金……。
仮に千日手になった場合は30分後に指し直しになる。さらに一方が残り1時間未満の場合は1時間になるように両者に時間が追加される。


(牛蒡)

66大盤解説会では左図で▲5二飛△3二桂は大変と言われていた。加藤九段も同意見だ。しかし▲2七飛△2四歩▲2五歩は検討陣の意表をつく攻めだった。


69▲2五歩に(1)△同歩▲同飛△2四歩▲8五飛は▲8一飛成から二枚飛車があって先手優勢。
そこで(2)△3六馬▲2四歩△2七馬▲2三歩成△同玉▲2五飛(王手馬取り)が検討されている。これは難しい形勢で「大勝負」だ。だたし、上図に戻って▲2七飛に△3六馬▲2四歩△2七馬▲2三歩成△同玉▲2五飛なら、後手は△2四歩を打たずに同じ変化に持ち込むことができた。この1歩損が形勢を大きく左右するとは限らないが、精神的なダメージは残りそうだ。


K005
(藤井九段と片上六段が控室へ。大盤解説会は休憩に入ったようだ)

(牛蒡)

60

図の局面、加藤九段は「後手が盛り返して大変になった」と考えている。

加藤九段「▲6三金は△6九角があるんだね(※1)。それによく見たら▲金△角桂で先手が駒損だ。郷田さんの背がシャンとしてきましたね。やはり、よく考えるのがいいんだよ(※2)、ふふふ。明さんは『こうなるはずじゃなかった』と思っているんじゃないかな。▲2四歩はどうだったのかな。あ、明さんの扇子の動きが速くなってきた。これは羽生さんと同じ。羽生流ですよ。うーん、どうするんだろう。こう指す、こうなる、こうくる、こうくる(以下略)」

※1:金を手放すと△6九角に▲6八金打とできないため。
※2:52手目△5三同金に2時間24分の長考のこと。加藤九段も長考派だ。

H009
(加藤九段はモニターで対局者の動きを見ている)

大盤解説会では藤井九段と片上六段が解説中。
図で▲6三金△6九角▲7二金△5八角成▲2三歩成△同金▲5二飛(参考図)が厳しく、一時は先手よしに見解が傾いたが、そこで△3二桂で容易ではないとわかった。やはり難しいようだ。

S67

(牛蒡)

58▲5三角成△同銀と進んだ局面。ここは▲4三銀、▲4三金、▲4四歩など手が広い。そこで渡辺竜王が指したのは後手陣の玉頭を攻める▲2四歩。「渡辺さんはいいと思って指しているね」と加藤九段と片上六段はいう。

後手は▲2四歩の処置が難しそうだ。△2四同歩は利かされになる。しかし放置すると▲2三歩成△同金▲4一飛成、もしくは単に▲4一飛成が厳しい。片上六段は△4四銀打を指摘したが「自信はないけど」と続ける。


K004
(15時45分、吉田五段が検討を引き継いでいる)

(牛蒡)

5651手目▲5三桂成に対して、郷田棋王は2時間24分の長考で△同金。以下、▲7一角△4七歩▲同飛△7二飛まで図の局面まで進んだ。図からさらに▲5三角成△同銀▲4一飛成と進めれば、△4七歩のたたきを無駄手にすることができる。ただし△4二飛のぶつけもあるので簡単ではないようだ。


H001
(14時30分ごろのモニター映像)

(牛蒡)

H006
(郷田棋王は早めに席に戻っていた)
H019

H035
(渡辺竜王は再開1分前に入室)
H041

H052

H031
(伊藤三段が対局再開を告げる。手番の郷田棋王は深いため息をついた)

(牛蒡)