2010年3月 7日 (日)

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図は久保棋王が7八にいた飛車を浮いた局面。チャット解説では、図から△6二銀▲6一飛△5一金▲6二飛成△同金▲7一飛成の展開は後手も相当怖いとの見解。佐藤九段の考慮が続いていたが、モニタに次の手を指す姿が映った。

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佐藤九段の指し手は△6四角。いわゆる「八方にらみ」の好位置だ。「▲9五飛と逃げてるようでは△6二銀で完封されそうなので」とは西尾五段の見解。本譜も図から飛車を逃げずに▲7三桂成△7五角▲6三成桂!と進行。金を取らずに▲6三成桂は驚きの一手。

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「▲6三成桂は気づきにくい手です」(西尾五段)
「▲6三成桂ですか!一生かかっても指せなそうな手です」(藤倉四段)

と、チャット解説の二人も驚きを隠せない。

「△6四角を消し、次の▲6二飛△4二飛▲5二銀を狙っています」(西尾五段)
「部分的には△6二歩打ちたいですが、▲8五飛が痛いですね」(藤倉四段)
「後手が少し余してそうな気がしますが、後手陣の手の入れ方が難しい」(西尾五段)

この勝負、現在の局面は大きな難所を迎えているようだ。

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対局室に午後のおやつが運ばれた。久保棋王、佐藤九段ともにフルーツの盛り合わせで、久保棋王は飲み物にレモンティーを、佐藤九段は午前中と同じくオレンジジュースとコーヒーを注文した。

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(久保棋王のトレーには、ティーバッグとレモンのスライスが載っている)

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「図の▲9七同香に代えて▲9七同桂は、△7三歩と打たれて次の△9八歩や△9六歩の筋が残り、先手苦しそうです」

本譜は図から△9六歩。

「△9六歩ですか。▲同香△同香▲7一角△同金▲同飛成△8六飛▲8七歩△8四飛(参考図1)といった展開が考えられます」

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「参考図から▲9七歩△3六歩といった攻め合いも考えられます。▲3六同歩は△5五角の王手銀取りがあります。こうなると後手よしです」

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飯島栄治六段が中継室を訪れた。

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「形勢は7対5で佐藤良しと見ます」(飯島六段)
「先生、足して10になるようにお願いします」(記者)
「それなら6対4です」(飯島六段)

飯島六段はこの後、解説会に向かうとのこと。

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図は久保棋王が▲3八銀と美濃囲いを完成させたところ。ごく自然な手……のようだが、よく見ると9筋に火がついている! 果たして大丈夫なのだろうか。

「後手は△9七歩成▲同香△同香成▲同銀△8七角成と平凡に進めると▲8三歩(参考図1)が厳しそうです」(藤倉四段)

「△9七歩成▲同香△9六歩▲同香△同香には▲7一角(参考図2)で大丈夫と見てるんでしょうか。参考図2から△9二飛には▲9三歩が痛いので、△7一同金▲同飛成△8四飛の展開が考えられます」(西尾五段)

どうやら、まっすぐ攻めてもうまくいかないようだ。佐藤九段はどう指すのだろうか?

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今回の中継では西尾明五段、藤倉勇樹四段によるチャット解説を行っております。昼食休憩時の局面(下図)では、

「当然まだまだ難しい局面ですけど、後手は相手に手を作らせない粘っこさが要求されます。私には向かない戦型です(笑)」(西尾五段)

「難しいと思います。この後の先手の構想に注目です。私も軽い振り飛車党ではないので向かない戦型です(笑)」(藤倉四段)

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と、それぞれ見解を述べています。

「チャット解説」のURLはhttp://chat.shogidojo.net/cgi-bin/fox/chatview.cgiとなります。どうぞこちらもあわせてご覧下さい。

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