2017年3月 4日 (土)

前夜祭 決意表明

両対局者は明日の第3局に向けて決意を語った。

Dsc_0105 (渡辺棋王)
「みなさま改めましてこんばんは。この棋王戦での新潟対局は、私は何度も経験しているんですけど、記憶に新しいところでは、昨年の第3局、この同じ会場で指したのですが、佐藤天彦現名人と戦いまして、20時に決着がつきました。通常は19時台、18時台の終局が多いので、20時を超えるというのは相当な大熱戦です。もう1年前になるんですが、シリーズでも大きな1勝だったので、すごく印象に残っている対局です。明日も、その将棋に勝るとも劣らないような内容の将棋を目指して頑張りたいと思っています。
今期の棋王戦は千田六段を挑戦者に迎えて、ということなんですけれども。年齢が10違いますし、そうしますとやはり将棋の考え方なんかも若干違うものですから。千田さんとは今回の棋王戦で初めての対戦だったので、第1局、第2局と指しながら、互いの将棋の感触を確かめているような段階かと思います。ここまで1勝1敗ということですが、第1局、第2局は逆転の将棋だったので、第3局はどうなるかというところです。持ち時間が4時間という条件なのでスピーディーな将棋になるかと思いますが、最後まで頑張りたいと思っています。
私自身は今回は永世棋王が懸かるということで、永世棋王が5連覇でしか獲れないんですね。通算5期でしたら、今回ダメでもまたいつか、という気持ちがあるのですが。連続5期ですので……ちょっと誰が作った規定なのかは知らないのですが、1回しかチャンスがないということなんですね。実質的に。今期で42期ですけど、羽生三冠しかいないんですよね。永世棋王というのは。永世称号の中でも難易度が最も高いのが永世棋王だと思っていますし、それだけ価値も高いと思っています。
明日からの第3局で、勝ったほうが王手が懸かるという大一番ですけども、頑張りたいと思っていますので、みなさま方には、対局の行く末に注目していただければと思います」

Dsc_0107 (千田六段)
「みなさまこんばんは。私は今回の棋王戦が初めてのタイトル戦なのですけれども、対局に際してファンの方と交流を行うことは大切なことだと感じております。私はファンの方からメッセージをいただくことが多いのですが、このように直接ファンの方と交流して声を聴く機会というのは、そう多くはありません。第3局は盛大な前夜祭が開催されるとうかがっておりましたので、新潟に来ることを非常に楽しみにしておりました。温かく迎え入れてくださって大変うれしく思います。
先ほど検分を行ったのですが、こちらでは数多くの対局が行われておりますので、安心して対局に臨むことができます。対戦相手の渡辺棋王は10歳年上ということで、世代間の対決といわれることもありますけれども、私は盤上の一手、一局に集中して頑張っていきたいと思っております。ありがとうございました」

Dsc_0118 (明日の健闘を誓って握手)

(書き起こし・八雲、写真・吟)