2017年2月

2017年2月18日 (土)

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18時、図の局面を迎えました。残り時間は先手の45分に対して後手はわずか9分です。先手にとって後手の残り時間が少ない点が拠り所ですが、立会人の森内九段は「差が開いてしまったのがつらいです」と語っています。後手は敵陣の竜と自陣の飛車の利きが強力なうえに、自玉に適した詰めろが掛からない状態で「後手は読みやすい状況です」と森内九段は話していました。

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17時過ぎ、控室では青野九段の検討に立会人の森内九段が加わりました。形勢は依然として後手の千田六段が優勢といわれています。渡辺棋王は袖をまくり上げて着手するお得意のポーズを出して懸命に追い上げます。

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(後方は観戦記担当の野間俊克指導棋士六段)

検討に使われている駒は塩井氏所有の増山酔棋氏作の森内俊之永世名人書です。森内九段が永世名人になった際に作られた逸品で、この世に2組しかないそうです。森内九段も感慨深げに継ぎ盤の駒を動かしていました。

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(実戦は厳しいと検討されていた△7七歩が指された)

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金沢市は石川県の中央に位置する県庁所在地で、人口約46万人の中核市(法定人口が20万人以上)です。伝統工芸品や歴史的建造物などが有名で、日本を代表する観光地として栄えてきました。現在の兼六園内にある金沢神社の脇から砂金が採集され「金洗いの沢」と呼ばれたのが地名の由来とされます。

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(北國新聞会館近くにある尾山神社)

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(名物の金箔ソフトクリームを手にご満悦の井道千尋女流初段)

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金沢市で棋王戦が開催されるのは16年連続です。金沢市は特別協力として本局に携わっています。ここ数年は主催の北國新聞会館で対局が行われています。

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(対局場の北國新聞会館)

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16時30分、先手が▲1五同銀と香を取り返した局面を迎えています。控室でモニターを見つめる広瀬章人八段は「後手が優勢になったといってもいいでしょう」と話していました。飛車角交換で駒割り的にはほぼ互角といえますが、矢倉の玉は飛車に弱い格好です。飛車を持っている後手の千田六段が優勢と見られています。
先手は▲4五桂と跳ねれば飛車銀両取りになりますが、後手に桂を渡すと△5四桂や△7四桂の反撃が厳しくなります。
渡辺棋王は劣勢気味のピンチをどう跳ね返すのでしょうか。

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15時20分過ぎ、大盤解説会に立会人の森内俊之九段が登場しました。控室で検討する広瀬章人八段とともに見解は後手持ちとのことです。

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図の局面で次の一手が出題されました。渡辺棋王の指した手は▲7四歩。聞き手の井道千尋女流初段が推奨していた手でした。

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(琵琶)

15時、両対局者におやつが出されました。渡辺棋王はガトーショコラとホットコーヒー。千田六段はフルーツ盛り合わせを注文しました。

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千田六段は対局中にケーキを食べませんでしたが、昨晩のデザート用に苺のタルトを注文していたのでした。

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(琵琶)

近江町市場は約170店の商店・飲食店が軒を連ねる市民の台所として知られています。石川県特産の加賀野菜や海産物を扱う店が多く、金沢屈指の人気スポットのひとつです。対局場からも徒歩圏内と近く、広瀬八段と井道女流初段と散策をしてきました。

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北陸は白身の王様・のどぐろに冬の大将・寒ブリの季節です。食を目当てに金沢を訪れる観光客は少なくありません。

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(琵琶)

兼六園は百万石前田家の庭園。宋代の詩人・李格非が書いた「洛陽名園記」に由来し、宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の6つを兼ね備える名園として命名されたと伝えられてきました。水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに、日本3名園の1つに挙げられます。
四季折々の自然が織りなす景観は絶大な人気を誇り、多くの観光客が訪れる金沢を代表するスポットとして注目されています。
大盤解説役の広瀬章人八段と井道千尋女流初段と見学をしてきました。

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根上松(ねあがりのまつ)をバックに記念撮影をしました。

(琵琶)