2017年2月

2017年2月19日 (日)

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◆渡辺明棋王
おはようございます。今年も100名を超えるお子さんに来ていただきまして、ありがとうございました。こちらの井道女流初段もこちらの大会出身でプロになっていますので、皆さんも将来の棋士、女流棋士を目指して頑張ってもらいたいと思います。また将棋に一生懸命打ち込むのは非常に結構なことなんですが、学校の勉強ですとか、家のお手伝いをきちんとやったうえで、将棋に打ち込んでもらいたいと思います。将棋は小さいうちから、10代のうちは勉強すればするほどどんどん強くなります。大人の方も勉強すれば強くなりますが、子どもは特に強くなります。今日は勝つ人も負ける人もいると思いますが、ぜひどういう手がよかったか、よくなかったか、反省して、その繰り返しで将棋は強くなりますので。今日は日ごろの練習の成果を発揮して、上位入賞を目指して頑張ってもらいたいと思います。今日一日の皆さんの健闘をお祈りしています。

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◆千田翔太六段
皆さんおはようございます。私はこういう大会に出ていたのは10年前くらいのことなんですが、負けた対局や勝った対局のことをいまでも覚えておりまして、今日は勝っても負けても貴重な体験になると思いますので、今日一日が強く印象に残るような将棋を指していただければと思います。皆さん緊張されると思うんですが、今日は持ちうる技量を遺憾なく発揮していただければと思います。

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渡辺棋王と千田六段による握手会が行われました。ちびっこ棋士は渡辺棋王と千田六段にあやかって、大会でいい手が指せるといいですね。

(撮影=琵琶、書き起こし=文)

対局翌日の19日(日)、北國新聞会館では第21回北陸ジュニア棋王戦(北國新聞社・富山新聞社・日本将棋連盟石川県支部連合会主催、金沢市教育委員会・北陸放送・テレビ金沢・エフエム石川・ラジオかなざわ・ラジオこまつ・ラジオななお・金沢ケーブルテレビネット後援)が行われました。大盤解説会で聞き手を務めた珠洲市出身の井道千尋女流初段は、この大会の出身者です。

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◆北國新聞社の久保幸男・事業局長
本日、第21回北陸ジュニア棋王戦を開催できますことをたいへんうれしく思っております。昨日は第42期棋王戦五番勝負の第2局があったわけですけれども、素晴らしい対局でした。どちらが勝ってもおかしくない、たいへんスリリングな勝負でした。この大会は棋王戦を石川で開催したことを記念して創設した大会でして、高校生、中学生、小学生の皆さんに棋王を目指して将棋を頑張ってもらいたい、そういう思いで開催したわけですが、年々参加者が増えております。北陸三県から集まっていただいて、切磋琢磨して臨んでいただいております。女流の井道さんもこの大会に参加されていました。皆さんも日ごろの成果を十分に発揮していただいて、明日の棋王を目指していただければと思います。普段顔見知りでない方も多くいらっしゃると思いますが、ぜひこの機会を利用して、交流して思い出深い一日にしていただければと思います。本日は広瀬八段、井道女流初段、岡井三段による指導対局もございます。そちらも楽しみにしていただければと思います。

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◆金沢市教育委員会の小寺洋右・生涯学習課長
(写真は代読の野口弘・金沢市教育長)
第21回北陸ジュニア棋王戦が盛大に開催されますことを、心よりお慶び申し上げます。昨日は金沢で第42期棋王戦五番勝負第2局が渡辺明棋王と千田翔太六段との間で戦われました。皆さんが熱心に打ち込まれている将棋は、約1000年前の平安時代の文献にも見られるほど歴史があり、幾多の先人が専門的な指し手の研究を積み重ねることにより発展を遂げてきた、日本が世界に誇る知的な競技でございます。この北陸ジュニア棋王戦は北陸三県の実力あるジュニア棋士が一同に集い、各部門の北陸ナンバーワンを目指す大会で、毎年熱戦が繰り広げられております。本日対局に臨まれるジュニア棋士の皆さま、日ごろの研鑽の成果を遺憾なく発揮されますとともに、将棋を通して身につけた大局観を人生のさまざまな局面で生かすことができるように成長してほしいと願っています。健闘をお祈りします。

(撮影=琵琶、書き起こし=文)

2017年2月18日 (土)

両対局者は大盤解説会場から戻ったあと、対局室で感想戦を行いました。感想戦は19時57分に終わりました。

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以上で本日の中継は終了となります。ご観戦いただきまして、ありがとうございました。第3局は3月5日(日)、新潟市「新潟グランドホテル」で行われます。どうぞお楽しみに!

(琵琶)

主催者インタビューのあと、両対局者は大盤解説会場に移動して感想を述べました。「うまい寄せがあったら仕方ないと思いましたけど」と快活に振り返る渡辺棋王に対して、千田六段は言葉少なに敗局を語りました。

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(琵琶) 

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◆渡辺明棋王の談話
--終盤までかなり苦しい形勢だったと思いますが、いかがでしたか。
「決め手があったらしょうがないと思って粘っていたんですけど……」
--どのあたりで逆転したと感じましたか。
「飛車を取って受け切りの形になったので。▲1二歩(97手目)が入って大変になったと思いました」
--1勝1敗になりました。第3局以降の意気込みをお願いします。
「またあらためての形になったので、短期決戦ですけど一生懸命やりたいと思います」

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◆千田翔太六段の談話
--中盤以降、千田六段のペースだと思いましたが、いかがでしたか。
「いいと思ってはいたんですが……」
--ミスはどの辺りでしたか。
「△8五銀から変な手が続いたと思いました」
--評判になっていた矢倉の△6四同歩は研究されていましたか。
「以前に指されたことがあったかもしれません」
--反省するところもありますか。
「負けていますからね」
--第3局以降について。
「タイになりましたので、仕切り直して気持ちもリセットして頑張ります」

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(琵琶)

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五番勝負第2局は渡辺棋王が逆転で制し、シリーズ成績を1勝1敗としました。終局時刻は19時15分。消費時間は▲渡辺3時間54分、△千田3時間59分。第3局は3月5日(日)、新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われます。
(文)

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竜を切って踏み込んだ千田六段でしたが、図の局面まで進んでみると逆転模様になったようです。千田六段が一分将棋なのに対して渡辺明棋王は13分残しています。

(琵琶)

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図から千田六段が△5七銀▲同角△8五桂打▲6七玉に△7八竜▲同玉△1八飛成と竜を切って踏み込みました。果たして決まっているのでしょうか。局面は大詰めを迎えています。

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(琵琶)

18時20分、千田六段が残り2分まで考えて△2三金と上がりました。「これは明らかに変ですね」と控室はどよめいています。後手変調との声が聞かれ、渡辺棋王の次の一手が明暗を分けそうです。

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(モニターを見つめる森内九段、広瀬八段、井道女流初段)

(琵琶)