2016年3月
感想戦
解説会場での振り返り(2)
解説会場での振り返り(1)
終局直後
(渡辺明棋王は4連覇達成。来期も防衛なら永世棋王の資格を得る)
―― 終盤はすごい戦いでした。
渡辺 形勢は分かっていませんでした。角切ったところ(69手目▲3三角成)は実戦的には勝ちやすいと思いましたが、△5四歩とかでうまく余されたというか……そのあとは分かりません。お互いにいい手があった局面が続いたように思います。
―― どこで勝ちを意識されたのでしょうか。
渡辺 ▲3四飛を決めて、角を成って(117手目▲6四角成)、そこで自分の王様が詰まなければ……。2七馬も止まっているので、それで勝ちになった気がしたのですが。
―― 永世棋王まであと1期です。今期を振り返っていかがでしたか。
渡辺 大変な将棋が多かったです。今日も最後は負け筋になっていたかと思うので。結果を出せたのはうれしいです。
(熱戦を繰り広げた佐藤天彦八段。勝敗は紙一重の差だった)
―― 今日の将棋のポイントはどこでしょうか。
佐藤 中盤は攻められる展開で玉が薄くなり、形勢は難しいのかもしれませんが大変な将棋になったと感じていました。
―― 終盤は後手勝ちの局面もあったのでしょうか。
佐藤 余せているかなという局面もあったというか……。最後も分からなかったですけど。
―― 今期を振り返っていかがでしたか。
佐藤 結果は残念でしたが、渡辺さんと4局戦い抜いて、至らないところもあったと思いますが、自分なりに力は出せました。また出直したいと思います。
渡辺棋王が勝って防衛
第41期棋王戦五番勝負第4局は21日19時27分、125手で渡辺棋王が挑戦者の佐藤八段を破り、3勝1敗でタイトルを防衛しました。残り時間は両者ともに1分。
渡辺棋王の棋王位獲得は4期連続4期目。永世棋王の資格まで、あと1期と迫りました。タイトル獲得の通算は17期目(棋王4期、竜王10期、王座1期、王将2期)。
(八雲)
激戦
両者とも一分将棋
図の局面、渡辺棋王は10分あった残り時間をすべて投入。次の手から両者とも一分将棋になります。形勢不明の熱戦です。
(牛蒡)
終盤戦
局面は終盤戦です。△6六桂に▲同歩は△7六角が王手飛車取り。したがって▲6九玉に△7八桂成が予想される進行です。金をボロッと取れるのは大きいですが、桂を渡すと後手玉は▲4五桂の詰めろ。後手は受けるか、攻防手を放つ必要があります。難しい終盤戦になりました。残り時間は▲渡辺12分、△佐藤4分。
(牛蒡)