第28期女流王位戦五番勝負第4局

2017年6月 7日 (水)

感想戦

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Dsc_0320 (逆転で制して、第5局に持ち込んだ伊藤女流二段)

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Dsc_0344 (感想戦は20時10分に終了した)

本局は北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞の各紙上において、諏訪景子さんによる観戦記が7月4日(火)から掲載されます。詳しくはそちらもあわせてご覧ください。

第5局は6月27日に東京・将棋会館で行われます。どうぞお楽しみに。ご観戦ありがとうございました。

(吟)

終局直後

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Dsc_0281 (終局直後、両対局者をカメラマンが狙う)

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―― 本局を振り返っていかがでしたか。

伊藤 ちょっと最初のほうは、指しにくいのかなと思っていたのですが、おそらく途中はよくなったと感じていました。そのあとは負けになったと思います。

―― 最初の指しにくいというのは?

伊藤 ▲4八金引(47手目)としたあたりは、苦しいかなと思います。

―― 盛り返したと感じたのは?

伊藤 ▲5六角(83手目)から▲7五銀としたあたりは、少し盛り返した気がしたのですが、そのあとちょっと……。手がわからなかったです。

―― ▲8三歩から▲3三角成の寄せは。

伊藤 ほかの手がわからなかったので。ただあの順で寄せがないと、おそらく負けにしていますね。

―― 勝ちになったと思った局面は?

伊藤 △8三金(126手目)と(後手が)受けに回られたので、いけるんじゃないかと思いました。

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―― 序盤の3筋の折衝はどうでしたか。

里見 押さえ込まれる展開にならなかったので、やや指しやすいかなと思っていました。

―― 飛車が横にいく感じになりました。

里見 ちょっと△3六歩(74手目)と取り込むところで、△5六歩を入れていればと思います。

―― きわどい終盤でしたが。

里見 途中はちょっとよくなったと思うのですが、勘違いしてしまったので。△7六同竜(120手目)が詰めろだと思っていたので……。


(吟)

伊藤女流二段が逆転勝ちで最終局へ

20170607a ▲伊藤-△里見香戦は伊藤女流二段が勝ちました。終局時刻は19時11分。消費時間は▲伊藤女流二段3時間56分、△里見女流王位3時間59分。シリーズ成績は2勝2敗になり、決着は最終第5局へと持ち越されました。最終第5局は6月27日に東京・将棋会館で行われます。

(琵琶)

事件か

124里見女流王位は△5七角成から△4五桂と先手玉を寄せにいく。後手勝勢といわれていたが、控室は「事件か」とざわめく。先手玉に即詰みはない。これは急転直下、先手が逆転していてもおかしくない。

(吟)

後手が勝勢に

20170607109▲6一飛成と金を取ったのが図の局面。後手玉には詰めろが掛かっているが、門倉五段解説の△3八飛の合駒請求が厳しい。合駒を使わせれば、後手玉の詰めろは消える。後手の里見女流王位が混戦を抜け出して、ゴールに向かっている。

■Twitter解説■
門倉啓太五段>現状、後手玉は詰めろですが、駒を1枚使うと詰まなくなりそうです。△3八飛で合駒を請求することができます。
△3八飛▲5八銀△8六角▲7七桂△5八角成▲同金△7五角がわかりやすいでしょうか。里見女流王位が腰を落として考えています。ここはしっかり勝ちを読みきりたいところです。(後手勝勢)

(吟)

ギリギリの局面

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△7六角と里見女流王位が出たのが左図の局面。▲8三歩△同玉に▲3三角成△同金(右図)で、後手玉が詰むかどうか。▲7五桂に△7四玉か△8二玉かも悩ましいがが、検討が進みどうやら即詰みはない。
ただし、先手はうまく上を押さえながら、詰めろを掛ければ勝ちがありそうだ。

■Twitter解説■
門倉啓太五段>▲6七銀が普通かと思いましたが、▲8三歩△同玉▲3三角成もありますね。以下△3三同金▲7五桂△8二玉▲8三銀△同銀▲6一飛成は後手玉が寄っているか非常にきわどいです。先ほどの手順中△8二玉に▲8四飛は△9三玉でギリギリしのいでいるか。ここで決めにいくかどうか、伊藤女流二段は勝負どころです。(先手やや有利)

(吟)

混戦に

93△5七歩に対して、▲4八玉としたのが図の局面。伊藤女流二段の受けが巧妙で、控室でも「難しい」「後手はどうやって攻めるんだろう」という声も聞こえ出した。

■Twitter解説■
門倉啓太五段>ここで後手にうまい手がないと先手がよくなりそうです。△3九角は▲4九金。△5八銀は▲5七金で継続手が見えません。わからなくなってきました。(形勢不明)

Dsc_0208 (得意の受けで勝機をつかめるか。本局を制すれば、シリーズの決着は第5局に持ち越される)

(吟)

16時35分の控室

Dsc_0250 (継ぎ盤で検討を行う清水女流六段と武市七段)

Dsc_0252 (終盤に入って、局面は勝負どころだ)

(吟)



里見女流王位がペースをつかむ

74図は△3六歩と里見女流王位が取り込んだ局面。「里見女流王位は発想が柔軟ですよね。2七の金を相手にしないで、攻めたいところなのですが、手薄だと見て攻めていきました。次に△2六角があります。後手が指しやすくなっています」と武市七段。

■Twitter解説■
門倉啓太五段>放っておくと△2六角が厳しいので、▲3六同金として△2六角には▲2五歩を用意するでしょう。(後手やや有利)

立会人の武市七段、Twitter解説の門倉啓太五段の形勢判断が一致している。

Dsc_0235 (里見女流王位は現在2連覇中(通算は3期)。本局で3連覇(通算4期)を決めるかどうか)

(吟)

徳島中央公園(4)

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Dsc_0163 (ゆっくりと散歩すると、緑が多く楽しめる公園だ)

(吟)

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