第27期女流王位戦挑戦者決定戦

2016年3月18日 (金)

五番勝負日程

里見香奈女流王位-岩根忍女流三段
第27期女流王位戦五番勝負日程

第1局 5月12日(木)兵庫県姫路市「夢乃井」

第2局 5月26日(木)北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」

第3局 6月8日(水)福岡県飯塚市「旧伊藤伝右衛門邸」

第4局 6月21日(火)徳島県徳島市「ホテルクレメント徳島」

第5局 6月28日(火)東京都渋谷区「東京・将棋会館」

Dsc_0212 (感想戦のあとインタビューに応じる岩根女流三段)

Dsc_0227 (インタビューに笑顔で応じる)

岩根女流三段インタビュー

「苦しい将棋も多かったです。5回戦では自分の玉に詰みがありましたし。運がよかったです。今日は少しよくなったのですが、▲5六銀と受けられて意外にどうしたらいいか分からなくなりました。
読みきれていなかったので、詰みが見えたのは最後の最後でした。△5六桂から△5八角成で勝ちになったと思いました。
△5五桂があるからいけるかと思いましたが、(72手目△4六角では)△7五桂(感想戦で宮田敦史六段が指摘)のほうが分かりやすかったですね。女流王位戦の五番勝負は4時間ですが、持ち時間を使いすぎてしまうので、長いほうがうれしいです。
今日も昼食休憩のころまでは気をつけていたのですが……。もう少し早く決断したいですね。
里見さんとは久しぶりの対戦です。里見さんが奨励会三段に昇段したのはうれしかったです。初めてのことで活躍されることで、将棋界が活性化してくれたらと思います。倉敷藤花戦で三番勝負したときのことはよく覚えています。攻めていけばよかったのですが、ひるんでしまいました。
これまで2回のタイトル戦は、いま思うと気持ちがフワフワしていました。あとで振り返ってみると、集中しきれていないのを感じました。挑戦者になったことで満足してしまったのだと思います。今回は勝ちにこだわって、強い気持ちで戦いたいと思います。
育児などに時間を取られてしまうので研究会などはできませんがメリハリをつけて勉強をする時間を作るようになりました。以前とは気持ちが変わったと思います。あきらめない、勝ちたいという気持ちが前より強くなり、いい方向に出たと思います。
長男がテニスの試合に出たときなどにいろいろいうのですが、自分でそれができていないなと思うことがあって、子どもを通して気持ちが変わりました」


第27期女流王位戦五番勝負をお楽しみに。ご観戦ありがとうございました。

(インタビュー書き起こし・銀杏、写真・吟)

感想戦

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Dsc_0172 (積極的に飛車切りから猛攻を掛けた岩根女流六段)

Dsc_0194 (清水女流六段は第25期以来の五番勝負登場はならなかった)
感想戦は18時26分に終了した。

(吟) 

終局直後

Dsc_0138 (終局直後の対局室)

Dsc_0133 (女流王位初挑戦を決めた岩根女流三段)

―― この一局を振り返っていかがですか。

岩根 銀交換したあたりは指しやすいかなと思ったのですが、5六に銀を打たれた形で自信がなくなってしまって。すぐに攻めるとアヤがなくなると思ったので、△5四歩と突いたのですが、あのあたりは自信がなくなっていました。ということで、飛車角交換はやってはいけなかったかなと思ったのですが、ほかに代わる手が分からなくて。△8七銀と打ってから攻めがつながるような気がしました。

―― 久しぶりのタイトル戦登場となります。五番勝負の抱負をお願いします。

岩根 まだ実感がないのですが、普段通り、1局ずつ大切に指せたらいいなと思います。

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―― 一局を振り返っていかでしたか。

清水 ▲5六銀と打って、すぐ攻めがなければと思っていました。▲6四桂が大悪手でしたね。勝ちになる手がありそうだと思ったのですが。


(吟)  

岩根女流三段が挑戦者に

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里見香奈女流王位への挑戦権を争う第27期女流王位戦挑戦者決定戦は、17時44分に102手で岩根忍女流三段の勝ちとなりました。消費時間はともに2時間59分。
勝った岩根女流三段は2010年の第18期倉敷藤花戦以来のタイトル挑戦となります。五番勝負第1局は5月12日に兵庫県姫路市「夢乃井」で行われます。
(銀杏)



両者一分将棋に

__kifu_for_windows_pro_v6_64_03___9△5九銀に岩根女流三段が1分使って、両者一分将棋になった。△5九銀を見て、宮田六段は「う~ん」と言ったあと、「詰めろですね」と話した。

△5九銀は△6八銀成▲同玉△5六桂▲同銀△7八飛からの詰めろになっている。

(吟)

逆転か

__kifu_for_windows_pro_v6_64_03___8△4六角と飛車取りに出た局面。△6八角成と金を入手する手も見ている。「これは▲4八飛と催促すると△6八角成と切るしかありませんが、▲同飛で先手玉に寄りがないと大変です。これは逆転したかもしれません」と控室に姿を見せた阿久津主税八段。

Dsc_0126 (控室で検討を行う阿久津八段と野月七段)

(吟)

16時の控室

__kifu_for_windows_pro_v6_64_03___7控室では▲8八玉△4七角▲6八金上に△7五桂がピッタリとの評判。△7五桂は宮田敦史六段が発見した。△7五桂▲同歩を入れてから△6五角成と銀を取れば、▲8五飛から馬を抜かれる心配がない。

Dsc_0124(野月七段と遠山雄亮五段の検討を宮田敦史六段と谷川治恵女流五段が見ている)

(吟) 

後手優勢

__kifu_for_windows_pro_v6_64_03___6岩根女流三段が△8七銀と放り込む。▲同銀△同歩成▲同玉に△8六歩のたたきが厳しく、後手が優勢との評判だ。△8七銀に▲7九玉は△4六角の王手飛車がある。また▲8九玉は△4七角が金銀の両取りになる。カナ駒を持てば8八に打てる。

Dsc_0009 (強烈な攻めで岩根女流三段が3度目のタイトル挑戦に近づいている)

(吟)

後手ペース

__kifu_for_windows_pro_v6_64_03___5後手の岩根女流三段が△4六飛の飛車切りから猛攻。▲5五歩には△8五歩と天守閣美濃の弱点である玉頭を突くのが有力とされている。
「△8五歩で後手が指せそうです。ただ岩根さんは、自分の玉頭でもあるので、慎重になるでしょうね」と野月七段。

Dsc_0105 (岩根女流三段がペースを握ったと見られている)

(吟) 

14時すぎの控室

__kifu_for_windows_pro_v6_64_03___4▲4七歩に岩根女流三段が時間を使っている。△6三金▲3五歩△同歩▲3四銀△4四角の進行と、△4六飛▲同歩に△6五歩を先崎学九段と野月浩貴七段が検討している。△6五歩を▲同歩は△6六歩から△6五桂が厳しい。

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Dsc_0122 (野月七段は△4六飛と「飛車を切る手から考えたい」と話す)

(吟) 



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