甲斐女流王位は▲4四同馬と取った。
対して里見女流王位は△3一角と意表の手を放つ。「いやー、すごい手だ」と脇八段が声をあげた。
△3一角に(1)▲2一飛成は△4四銀▲3一竜△4一歩が粘り強い。(2)▲7七馬は△2二角▲同金に△8九飛が詰めろになる。(3)▲5三馬も△同玉▲2一飛成△6七成香が詰めろになる。控室では(1)の変化をさらに詳しく調べている。
(2)の変化は参考1図になる。△4七歩▲同玉△4九飛成▲4八香△5八飛成▲3六玉△2五金までの詰めろだ。
(3)の変化は参考2図。ここで▲3一竜は△5八成香▲同金△4七歩▲同玉△3八角▲3六玉△3五歩▲同玉△2五金▲3四玉△4三金で詰む。
(牛蒡)
15時25分ごろ、図の局面から▲3五同飛△同角▲同馬と進んだ。大駒を持ち合うおおさばきだ。
検討手順は▲3五同飛△同角▲同馬に△7八飛▲3九玉△6八成香▲4八金寄(参考図)。
この展開はどちらも攻めるのが難しい。先手は壁銀なので駒を渡す攻めがやりにくい。 対する後手は歩切れが痛い。参考図から4筋の歩を切れればいいが、△4四歩は▲3四馬から▲9六角△7九飛成▲5二角成△同飛▲4三金が気になる。
このように7八に飛車を打つと▲9六角の筋があるので、図に戻って▲3五同飛△同角▲同馬に△9八飛が検討されている。控室の評価は「後手が少しよさそう」。ただしはっきりした結論は出ていない。
里見女流王位は手持ちの香を使って△7四香(図)と打った。▲2五飛に△3三桂打と受ければ先手の攻めを止めることができる。この香打ちから桂打ちは駒得を生かした受けだ。控室では▲2五飛に代えて▲4二馬も検討されている。
一例として▲4二馬△7五香▲3一飛△5一桂▲2四馬△8八飛▲2一飛成△7七香成▲4五歩(参考図)と進めば先手がよくなる。 △7七香成を入れると▲4五歩に△7七角成と逃げることができないので要注意だ。
ちなみにTwitter解説の室岡七段は、▲4二馬に△7五香▲3一飛△6二王で先手不満と指摘している。△6二玉以下、▲5二馬△同王▲7一飛成は△8三角が絶好打になる。