第24期女流王位戦五番勝負第4局

2013年6月 5日 (水)

難解な終盤戦

G006
(写真は継ぎ盤に示された一変化)
脇八段が後手(写真右)を持って先手玉の寄せを狙っている。
しかし先手玉の上部が広いため、なかなか捕まらない。
「王手は追う手」にならないよう、後手は上から押さえる寄せを目指す必要がある。

(牛蒡)

攻防手

103先ほどの記事の(1)の変化に進んだ。後手は△6七成香が間に合わそうとしている。そこで甲斐女流四段は▲6六角と成香を抜きに行った。▲6六角に△5五角▲同角△同銀で効果がないようだが、そこで▲3三金が攻防手。


S1073三の桂を抜けば先手玉の上部が抜けているようだ。


1646kai
(16時46分、▲6六角に△5五角▲同角△同銀まで進んだ)
1646satomi
(両者とも腕まくりをして考えている)

(牛蒡)

取った

97甲斐女流王位は▲4四同馬と取った。
対して里見女流王位は△3一角と意表の手を放つ。「いやー、すごい手だ」と脇八段が声をあげた。
△3一角に(1)▲2一飛成は△4四銀▲3一竜△4一歩が粘り強い。(2)▲7七馬は△2二角▲同金に△8九飛が詰めろになる。(3)▲5三馬も△同玉▲2一飛成△6七成香が詰めろになる。控室では(1)の変化をさらに詳しく調べている。


S1_102(2)の変化は参考1図になる。△4七歩▲同玉△4九飛成▲4八香△5八飛成▲3六玉△2五金までの詰めろだ。


S2_102(3)の変化は参考2図。ここで▲3一竜は△5八成香▲同金△4七歩▲同玉△3八角▲3六玉△3五歩▲同玉△2五金▲3四玉△4三金で詰む。


(牛蒡)

取れるのか!?

95図の局面で里見女流王位は△4四歩と突いた。これは▲4四同馬△同銀▲4二飛成が怖い。ただし4筋の歩が切れれば△4七歩が立つので、どこかで後手も攻め合いで勝負してくるだろう。
果たして△4四歩は取れるのか、それとも取れないのか。「△4四歩はあやしい手です。勝負手気味に見えます。(取るのは)毒まんじゅうなのかなあ」と脇八段。


F027
(対局再開直後の里見女流王位)

(牛蒡)

おおさばき

8015時25分ごろ、図の局面から▲3五同飛△同角▲同馬と進んだ。大駒を持ち合うおおさばきだ。
検討手順は▲3五同飛△同角▲同馬に△7八飛▲3九玉△6八成香▲4八金寄(参考図)。


S87この展開はどちらも攻めるのが難しい。先手は壁銀なので駒を渡す攻めがやりにくい。 対する後手は歩切れが痛い。参考図から4筋の歩を切れればいいが、△4四歩は▲3四馬から▲9六角△7九飛成▲5二角成△同飛▲4三金が気になる。

このように7八に飛車を打つと▲9六角の筋があるので、図に戻って▲3五同飛△同角▲同馬に△9八飛が検討されている。控室の評価は「後手が少しよさそう」。ただしはっきりした結論は出ていない。


1525kai
(15時25分ごろ、甲斐女流四段)
1525satomi
(同じく里見女流王位)

(牛蒡)

午後のおやつ

15時になり、午後のおやつが出された。甲斐女流四段はホットティーとチーズケーキ。ケーキには「生クリームをあまり使っていないものを」とのリクエストがあった。里見女流王位はいちごのショートケーキとアイスティー。本来の注文は単に「ケーキ」だった。

F018
(チーズケーキ)
F015
(いちごのショートケーキ)

(牛蒡)

駒得を生かした受け

74里見女流王位は手持ちの香を使って△7四香(図)と打った。▲2五飛に△3三桂打と受ければ先手の攻めを止めることができる。この香打ちから桂打ちは駒得を生かした受けだ。控室では▲2五飛に代えて▲4二馬も検討されている。


S83一例として▲4二馬△7五香▲3一飛△5一桂▲2四馬△8八飛▲2一飛成△7七香成▲4五歩(参考図)と進めば先手がよくなる。 △7七香成を入れると▲4五歩に△7七角成と逃げることができないので要注意だ。
ちなみにTwitter解説の室岡七段は、▲4二馬に△7五香▲3一飛△6二王で先手不満と指摘している。△6二玉以下、▲5二馬△同王▲7一飛成は△8三角が絶好打になる。


F008
(本局は難しい勝負になった。脇八段も楽しそうに検討している)

(牛蒡)

先手が盛り返す

70先手は飛車の動きでポイントを取り返した。さらに、ここで甲斐女流四段が指した▲2三金が好手のようだ。いかにも重そうな金だが、後手も受けきるのは難しい。「▲2三金はひとめ効率が悪いのですが、実際に指されると厳しい手です。コンピューターのような手ですね」と脇八段。ちなみに図で▲4五歩はどこかで△3一香と打たれて馬の逃げ場所がなかった。


C032
(朝の甲斐女流四段)

(牛蒡)

徳島中央公園(5)

D021
(庭園内にネコがいた)
D037
(木陰に落ち着いたようだ)
D042
(人に慣れているらしく、近づいてもまったく動じない)

(牛蒡)

徳島中央公園(4)

徳島中央公園には徳島城博物館があり、そのとなりには旧徳島城表御殿庭園がある。織豊時代から江戸時代初期を生きた茶人(武将)、上田宗箇によってこの庭園は造られた。漫画『へうげもの』(山田芳裕作・講談社)でも、上田宗箇が徳島城の庭園を手掛けたエピソードが紹介されている。

D011

D045

D057

D069
(阿波特産の青石)
D089
(赤みを帯びた石もあった)
D055
(サギ)
D083
(庭園近くの城山に巣があるのだろうか)

(牛蒡)

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