(カド番をしのいだ甲斐智美女流四段)
■甲斐女流四段インタビュー■
―― 序盤の駒組みはどのように考えていましたか
▲7七歩(31手目)と打つようでは苦しいと思いました。
―― 終盤戦はどうでしたか
▲8八歩(113手目)で余せないかと思っていました。よい局面もあったと思いますが間違えてしまって……。あとはわからなくなりました。
―― 勝ちになったと思ったのは
(193手目▲6九銀で)最後に竜を取ったところです。
―― 最終局に向けての意気込みを聞かせてください
最終局まで行けたので、せいいっぱい指したいと思います。
(敗れた里見香奈女流王位)
■里見女流王位インタビュー■
―― 全体を振り返って
飛車角交換から飛車を下ろした局面(84手目△9八飛)は自信があったのですが、途中から自信がなくなりました。自分から悪くするような形にしてしまって。終盤戦も間違えてしまいました。
―― 最終局に向けての意気込みを聞かせてください
いつもどおり自然に指したいと思います。
(対局後のインタビューを受ける両者)
(牛蒡)
197手まで、甲斐智美女流四段が勝ちました。
終局時刻は19時44分、消費時間は両者ともに3時間59分。
この結果五番勝負は2勝2敗となり、最終局決戦にもちこまれました。
最終局面と言われたところから20手近く進んだ。後手の猛攻をしのいだ先手だが、今度は後手玉が詰まなくなった。「すごい、まだわからない」と頭を抱える脇八段。 最後の最後までわからない熱戦になった。
(牛蒡)
「これはついに最終局面を迎えそうです」と脇八段。逃げきって先手勝ちとの見解だ。
(牛蒡)
▲5九桂は検討に出ていなかった手。勝負の行方はまだわからない。ただ、先手の残り時間が気になる。控室に「先手は残り4分」との情報が伝わると、各所から「厳しい」との声があがった。後手は1時間弱のこしており、▲5九桂の局面で長考に入っている。次に後手が指す手に対して、先手は4分で回答を出さなくてはならない。厳しい条件だ。
(牛蒡)
里見女流王位は図から△7二玉と早逃げした。実戦的な手だ。控室では図から△6九角▲4四角△7二玉▲4七歩△5五銀(参考図)も有力とみられていたが、実際のところはどうなのだろうか。本譜の△7二玉でも先手の寄せは簡単ではない。
追記:本譜は△7二玉に▲4四角△6九角と進んだ。そこで▲4七歩と打てば△5五銀で参考図と合流する。「この変化は長い勝負ですが、実戦的に後手が勝ちやすそうな展開だと思います」と脇八段。
(牛蒡)