第24期女流王位戦挑戦者決定戦

2013年3月21日 (木)

決断の銀

Kifu_48モニタに△2五銀(図)の着手が映ると、控室に驚きの声が広がった。狙いは単純明快、△3六銀~△4七銀成の進軍だ。だが、そのあとにきっちり働くかどうか。「端角から銀打ちと、相手の読みにない手を繰り出している感じがしますね。いや、実際に対局者がどう思って指しているのかはわからないのですが」と田村七段。いずれにせよ、この銀打ちの成否が今後の展開を大きく分けるのは間違いないだろう。

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(高野秀行六段=右も控室に姿を見せている)

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春の鳩森神社

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飛車が大きいか、駒得が大きいか

Kifu_40甲斐女流四段は△2六歩(図)と突き出した。飛角交換には甘んじる選択。▲2三馬△同銀▲2六飛△3二銀▲6六香と進んで下図に。駒割りは▲飛香△角銀で後手の駒得になっている。

Kifu_45この香打ちは△4四角のライン攻めに備えたもの。次に▲6三香成と成り込んでも攻めになるわけではなく、ここで玉頭を守るために設置されている。後手から有効手がなければ、▲2三歩~▲2二歩成とゆっくり攻める手も間に合うだろう。後手は何か反発を考えなければならない局面だ。

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(左から井道千尋女流初段、竹俣女流2級、野田澤女流1級。何かのPRのようだが……?)

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(「女流棋士との親睦将棋会2013」の告知ポスターだ)

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升田幸三実力制第四代名人

今日、3月21日は故・升田幸三実力制第四代名人の誕生日。「新手一生」を掲げ、升田式石田流に代表されるように、先鋭的な指し手で時代を先取りした大棋士だ。

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午後の控室

14時を過ぎ、控室を訪れる棋士も増えてきた。

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(差し入れをいただいた。蕎麦粉が使われたどら焼きで、一口食べると蕎麦の香りがふわりと漂う)

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(持ってきてくれたのは竹俣紅女流2級)

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(窪田義行六段=左、田村七段=右)

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(野田澤彩乃女流1級)

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戦い始まる

Kifu_33中井女流六段は▲6六角(図)と据えた。次は▲3四銀と出る狙いだ。何かしらの受けが必要だが、後手は△2三飛。飛車を角のラインから逃がす受けで、「薄い受けで怖い」と控室で声が上がる。たとえば▲3四銀△同銀▲1一角成の強攻も成立する可能性がある。あるいはじっと▲3六歩~▲3七桂~▲2五歩を狙われても受けに困るかもしれない。いずれにせよ戦いが始まった。ここからの攻防が形勢を分けることになるだろう。

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(13時40分頃の控室。中村修九段、田村康介七段、大平武洋五段の姿が見える)

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一時停止

対局再開から30分。中井女流六段の手が動かず、局面は止まったままだ。控室では鈴木大介八段と永瀬拓矢五段が訪れて談笑している。先手の手得が大きく、「模様は先手よし」とのこと。

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(永瀬五段=左と鈴木八段=右)

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対局再開

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昼食休憩時の特別対局室

本局の使用駒は富月師作、錦旗書の盛上駒。棋譜用紙には昼食休憩前の消費時間に「0分」と記録された。ちょっと珍しい。

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昼食休憩に入る

Kifu_3012時9分、甲斐女流四段が△8三銀(図)を着手。12時10分、昼食休憩に入った。消費時間は▲中井45分、△甲斐1時間12分。対局は13時から再開される。控室を訪れた門倉啓太四段は、「後手が3手損とかなり手損しています。手損していても動いていければいいのですが、△8四歩は持久戦を目指した手なので相性がよくありません。このあとは後手が争点を作らず待てるかがポイントになると思います」と話した。

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(門倉四段)

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