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2013年2月 4日 (月)

湯原小学校訪問

対局翌日、両対局者は湯原小学校を訪問して講演を行った。村田女流二段が司会役を務め、事前に集められた質問に棋士が答える形で進行していった。

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■質問コーナー
将棋を覚えたのはいつごろですか、その後プロを目指したのはいつですか
里見 5~6歳の頃、兄が指しているのを見て覚えました。小学校の5~6年生の頃には、プロになりたいと思うようになりました。
上田 父が将棋好きで、最初に兄が始めて5歳の頃に自分も覚えました。プロを考えたのはかなり早くて、将棋道場に通うようになって、小学校の2年生の頃にはプロになりたいと思っていました。
淡路 私が子供の頃は縁台将棋というのが盛んで、それをのぞいているうちに自然に覚えました。13歳ぐらいに教室に通うようになって、同年代の人が奨励会を受験するときに、私も一緒に受験してみたらと言われてプロになるということを考えました。
室谷 礼儀作法などを学ぶ目的で姉と一緒に将棋教室に通って覚えました。プロになることを考えたのは高校生になってからです。
香川 小学校2~3年生の頃に男子が指しているのを見て覚えました。負けて悔しくて、絶対勝ってやると思って勉強しました。相当負けず嫌いだったんです(笑)。その後道場に通っているうちに、徐々にプロを意識するようになりました。

子どもの頃の成績は、好きな教科は
里見 勉強は得意じゃないですけど、算数は好きでした。
上田 体を動かすことが一番好きでしたけど、算数も好きでした。
淡路 計算するのは好きでしたね。成績は算数が中の上ぐらい。他はまあよくないです(笑)。
室谷 算数好きでしたけど、体育が一番好きですね(笑)。
香川 私はいま大学に在学中で、文系ですね。子供の頃は算数も好きでした。運動は苦手でしたね(笑)。

将棋の楽しいところはどこですか
里見 盤を挟めば、年齢や男女の区別なく、誰とでも同じ立場で戦えることです。
上田 私もいろんな人と指せることが嬉しいです。それから、考えること自体が楽しいですね。
淡路 私も若いころは40歳年上の大先輩と戦いました。いまは40歳下の人と戦っている。「棋は対話」と言うように、将棋を通していろんな世代の人と対話ができるんですね。

好きな食べ物はなんですか。強くなるには何を食べればいいですか
里見 食べること自体がとても好きです(笑)。あえて言うなら「たこ焼き」が好きですね。何を食べれば強くなるかは、私も知りたいです。
上田 和食が好きですね。お蕎麦とか、薄味のものが好みです。強くなるには健康が大事ですから、バランスよくなんでも食べるといいですね。

棋士になろうと思う前は何をしたかったですか
里見 料理人とかパティシエとかになりたかったです。自分で美味しいものを作って食べられるので(笑)。
上田 私は小学校2年で棋士を目指していたので、その前だと「はいしゃさんになりたい」と書いたことがありますね(笑)。人の虫歯を治療できるってすごいな、と思っていました。

将棋の勉強方法、強くなる方法
里見 ひとりで勉強することもありますが、人とたくさん指すほうがいいと思います。とにかく経験を積むこと。私は出雲に住んでいて対戦相手がなかなかいなかったので、インターネットの対局も利用しました。勉強時間は学生の頃は3時間ぐらいでしたね。強くなる方法は私も知りたいですが、とにかく自分で体験して何かを感じること大切だと思っています。
上田 基本的に小さいころと変わっていないですね。同じ努力をずっと積み重ねることが大事だと思います。子供のころは、学校が終わるとすぐ道場に行って、道場が終わる時間までずっといました。「もう終わりだよ」と言われて、「嫌だ、帰らない」と泣いたこともありましたね(笑)。強くなるには、好きな勉強方法を見つけて毎日続けること、積み重ねることが大事だと思っています。

スランプのときはどうしますか
里見 すぐに結果が出ないこともあるので、根気よく続けることだと思います。
上田 つらいときに、そこで頑張ると成長できると思います。スランプのときこそチャンスだと思いたい。
淡路 スランプというのは、努力し続けている人じゃないと経験できないことなんです。なまけている人がうまくいかないのは、スランプじゃなくて実力なんです。だから皆さん、しっかり努力してくださいね。

最後に皆さんへのメッセージをお願いします
里見 なんでもやってみることが大事だと思います。自分でどんどん体験して実感して欲しい。そうして好きなことを見つけてください。
上田 好きなことがあって、それをできるというのはとても幸せなことです。好きなことに向かって努力して頑張ってください。

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小学校へ棋書が贈呈され、両対局者には花束が贈られた。代表の生徒が感謝の辞を述べる。

「今日はいろいろなお話を聞くことができて、とても楽しかったです。その中でも、好きなことを見つけて努力を積み重ねること、というお話が印象に残りました。ありがとうございました」

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(書き起こし=八雲、写真=文)

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