2018年8月21日 (火)

図は直前の▲3三歩(▲3二銀の狙い)に△3六桂と打ったところ。これが△2八桂成を見た厳しい一着。さらに▲3六同金には△3八竜があって先手は取ることができません。

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西山女王は△3六桂に対して▲3九銀打と自陣に打ちますが、▲3二銀の狙いが消えてしまいました。さらに△2八桂成▲同銀△5七とと進みます。先手からの厳しい攻めがなくなったことで、と金が間に合ってきました。

Joryu_ouza201808210101116次の△4八とがわかっていても厳しい攻めで受けがありません。しかし先手から攻める手段は難しいようです。優劣不明の戦いから、再び伊藤女流二段が抜けだしたと見られています。

後手優勢と見られていましたが、2筋、3筋で激しい攻防戦になり、図は西山女王が▲2六銀と投入したところ。これが鍛えの入った一着で、形勢は優劣不明になってきているようです。

Joryu_ouza201808210101101以下△3七桂成▲同金寄に△2三銀と、伊藤女流二段も自陣を補強。西山女王の猛追を受けながらも、この投入で後手陣も引き締まりました。

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双方とも簡単には倒れない指し回し。本局はまだまだ決着しそうにありません。

Photo_27 (西山女王は苦戦と見られていた局面を優劣不明に持ち込んだ)


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(猛追を受けた伊藤女流二段だが、踏みとどまって逆転までは許さない)

15時、さらに図の局面まで進行しました。

Joryu_ouza20180821010187双方のと金と相手玉までの距離は同じですが、やはり握っている手番が大きいところ。中継室では(1)△5七歩、(2)△6六角、(3)△2五歩といった手が挙げられ、いずれも厳しく後手が優勢と見られています。

Photo_25(今朝の西山女王。苦戦を跳ね返せるか)

少しまえは先手がリードを奪えそうといわれていましたが、1図の局面は難しくなっているようです。後手は歩損を取り返し、9三香も取られずにすみました。

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以下▲7四歩△8六歩▲7三歩成△8七歩成▲6三と△7七と▲7二飛成△8七飛成(2図)と進行。

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後手からは次の△6七とが厳しい攻めになります。同じ穴熊でも金銀の配置の差が大きく、中継室ではとうとう後手がリードを奪ったと見られています。

昼食休憩明けの▲6五桂から、局面が一気に動き始めました。Joryu_ouza20180821010153_21図の▲6五桂に対して伊藤女流二段は△4二銀と上がり、▲7三桂不成△同桂▲同角成△6四飛▲5七金△5四歩(2図)と進行しました。

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陣形は不安定ながら、先手は馬を作りつつの歩得。形勢自体は先手が指せそうです。後手は堅陣を生かして暴れることができるかどうかがここからの焦点になるでしょうか。

Photo_24(伊藤女流二段が攻勢を取ることになりそうだ)

13時になり、対局再開。再開後すぐ西山女王は▲6五桂と跳ねて動きを見せました。▲7三桂成と▲5三桂成の両狙いですが、伊藤女流二段はどう対応するでしょうか。

Joryu_ouza20180821010153 Photo_19(▲6五桂を着手する西山女王)

Photo_20 (▲6五桂を見て伊藤女流二段は前傾姿勢に)

Photo_21

Photo_22

Photo_23 (午後の戦いが始まった)

12時、図の局面で西山女王が14分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲西山女王39分、△伊藤女流二段57分。昼食の注文は西山女王が玉子丼(みろく庵)、伊藤女流二段の注文はありません。対局は12時40分に再開されます。Joryu_ouza20180821010152

Photo_17(実際の盤面)

Photo_18 (昼食休憩時の棋峰)

※本記事の写真の撮影には、リコーイメージング株式会社のPENTAX K-3を使用しております

Joryu_ouza20180821010146図は11時すぎの局面。西山女王の石田流に伊藤女流二段は居飛車で対抗し、相穴熊となりました。先手は素早い動きで3筋の歩を交換。対して後手は悠然と穴熊を完成させています。後手は1筋の位が主張になりそうです。

Photo_16 (西山女王の3手目は▲7五歩。ここから石田流に組み上げた)