2018年6月19日 (火)

Dsc_82362(伊藤女流二段が逆転で本戦入り)

Dsc_82211(中井女流六段は終盤の勝ち筋を逃してしまったようだ)

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Dsc_82451_2(感想戦は17時17分頃まで行われた)

【伊藤女流二段インタビュー】

――本局を振り返ってください
 
伊藤 序盤は、△7五歩と突き捨てたところでは、相手の攻めを受け流しながら、7七角の角頭を攻めていければと思っていたのですが、7四歩の拠点が大きく、指し過ぎになってしまったと思いました。
ずっと敗勢で、感想戦で出た93手目▲8四桂で、寄せられる筋があったと思います。
 
――どこで勝ちになったと感じましたか
 
伊藤 101手目▲6三成桂は詰めろではなく、その瞬間攻められるので、勝ちになったと思いました。
 
――本戦入りを決めての感想をお願いします
 
伊藤 前期は本戦1回戦で敗れてしまったのですが、その将棋は優勢のところから落としてしまったという将棋だったので、今度はそうならないよう、集中して指したいと思います。
 
――ファンの皆さまにひと言お願いします
 
伊藤 女流王座戦は中継があるのでファンの方にも声をかけていただく将棋が多いです。せっかく見ていただいている将棋ですので、いつも一生懸命指しているのですが(笑)、よりいっそう気を引き締めて、いい将棋が指せるよう頑張ります。
 
以上で本日の中継は終了です。ご観戦、ありがとうございました。

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――本局を振り返ってください

山田 序盤の駒がぶつかったところから難しい将棋でしたが、積極的に指せたのがよかったと思います。たとえば△6五桂(38手目)とか、地味ですけど△7五歩(40手目)とか。△3二銀と締まりたいのですが、攻めの手のほうが価値が高いと判断しました。

――どのあたりでよくなったと感じましたか

山田 △8九飛(44手目)で少し指しやすいと感じました。本譜はこちらだけ香が手に入る形になりましたので。

――これで本年度は負けなしの4連勝です

山田 私は連勝連敗型なので、あまり浮かれず、気を引き締めていきたいと思います。

――本戦入りを決めての感想をお願いします

山田 8期目にして初めて本戦に入れました。出来すぎだと思っていますが、(この勢いを)もう少し続けられたらいいなと。

――ファンの皆さまにひと言お願いします

山田 いつもリコー杯女流王座戦をご覧いただきまして、ありがとうございます。本戦も長い戦いですので、引き続きご観戦いただければと思います。本日はありがとうございました。

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▲中井-△伊藤戦は上図まで順調に先手が攻めているように見えましたが、ここで中井女流六段が時間を使いきって▲4五桂。後手玉を寄せきれなかったため、5四竜を守った意味でしょうが、変調ではないかといわれています。

下図は16時頃の局面。後手に攻める機会がやってきました。

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Ky060後手は角付きの左美濃という堅陣を生かし、△5七歩(図)と確実な攻めに出ました。先手は何かひねり出さないといけませんが、すでに残り1時間を切っており、時間の面でも苦しくなっています。


Dsc_4279 (朝の甲斐女流五段。耐える時間が続いている)

Joryu_ouza20180619010147▲中井-△伊藤戦、図の▲3三角は駒台から打ち込んだ手です。前エントリの△1三桂から流れが激しくなり、先手が駒損辞さずの攻めを敢行しています。図の▲3三角という手について、「いい手の確率は高いが、急ぎすぎになることもある」とは田村七段の談。しばらくは先手が寄せきれるか、後手が耐えられるかの勝負が続きそうです。

Dsc_8174(中井女流六段は駒損する代わりに、一方的に攻める展開に持ち込んだ)

Ky046▲甲斐-△山田久戦はさばき合いになりました。図の局面は6五桂と8五桂の性能差が目立ちます。後手の6五桂のほうが中央に近く、△7六歩の突き出しもあり、今後の活躍が見込めます。田村七段は「後手よし」と話しています。

Dsc_4254 (山田久女流四段がリードを奪ったようだ)