2016年11月 3日 (木)

里見女流四冠の飛車切り以降、厳しい攻めが続いており、▲7五角の飛車金両取りがかかりました。控室の検討、そしてTwitter解説の宮田敦六段ともに「先手優勢」との見解です。

▲7五角

加藤女流王座
(加藤女流王座は流れを変えられるか)

ただいま全国の書店で『将棋世界』最新12月号が発売中。本局の詳細は来月発売の新年1月号で、馬上勇人さんの執筆により掲載されます。

将棋世界

午後に入って芝苑には続けて棋士の来訪者がありました。

大盤解説
(大盤解説で糸谷八段と検討しているのは)

稲葉八段
(稲葉陽八段でした)


控室
(控室には千田翔太五段が訪れて東八段と見解を交わしている)

千田五段
(千田翔太五段)

石本女流2級
(大阪府出身の石本さくら女流2級も見学に訪れている)

こちらは2階・兼六の間で行われているサイン会の模様です。

サイン会

都成四段

長谷川女流二段
(集中しています)

淡路九段
(淡路九段で連想する言葉といえば)

不倒
(やはり「不倒」ですよね)

13時の再開から30分が経ち、△5二銀打以下▲5四歩△同銀▲同飛△同歩▲7一角成と進みました。里見女流四冠が飛車銀交換から馬を作る順に踏み込んでいます。

▲7一角成

里見女流四冠

柚子饅頭
(昼食休憩のあと、両対局者に出された柚子饅頭)

芝苑で女流王座戦が行われるのは4期連続4回目。これまでの芝苑対局を振り返ります。

◆第3期(2013年)女流王座戦五番勝負第1局◆
里見香奈女流三冠●-○加藤桃子女流王座

第3期

初手合いから2年後、加藤女流王座と里見女流四冠が初めてタイトル戦で顔を合わせた対局です。将棋は里見女流三冠の三間飛車に、加藤女流王座の左美濃。途中は里見女流三冠のペースでしたが、結果は108手で加藤女流王座の勝利。しかしシリーズはその後、里見女流三冠が3連勝してタイトルを奪取します。

【棋譜】 第3期女流王座戦五番勝負第1局▲里見香奈女流三冠-△加藤桃子女流王座


◆第4期(2014年)女流王座戦五番勝負第3局◆
西山朋佳奨励会二段●-○加藤桃子女王

第4期

里見女流王座が休場によりタイトルを返還したことで、第4期は本戦トーナメントで決勝進出を果たした加藤女王と、大阪狭山市出身の西山朋佳奨励会二段との間で五番勝負が行われました。加藤女王の2連勝で迎えた第3局。西山二段の中飛車に苦戦を強いられた加藤女王でしたが、終盤で逆転に成功し、3連勝のスコアで女流王座に返り咲きました。

【棋譜】 第4期女流王座戦五番勝負第3局▲西山朋佳奨励会二段-△加藤桃子女王


◆第5期(2015年)女流王座戦五番勝負第3局◆
伊藤沙恵女流二段(持将棋)加藤桃子女流王座

第5期

そして昨年、第5期の挑戦者は元奨励会員のライバル・伊藤沙恵女流二段でした。伊藤女流二段は本戦トーナメントの準決勝で、里見女流二冠の21連勝にストップをかけ、これが初めての女流タイトル挑戦でした。1勝1敗で迎えた第3局は、なんと284手で持将棋が成立。シリーズは第6局までもつれ込み、加藤女流王座が3勝2敗(1引き分け)で防衛しています。

【棋譜】 第5期女流王座戦五番勝負第3局▲伊藤沙恵女流二段-△加藤桃子女流王座


加藤女流王座は過去、芝苑での対局は1度も負けておらず、相性のよい対局場と言えるでしょう。また本日の対局を含め、すべて後手番になっていることも目を引くデータです。

※肩書、段位はすべて当時。写真は「リコー杯女流王座戦中継ブログ」より転載(撮影:虹記者、翔記者)。

再開
(里見女流四冠は再開5分前の時点で席に戻っていた)

里見女流四冠

入室
(加藤女流王座は12時57分に入室)

再開

加藤女流王座

着手
(再開のあと1分を使って加藤女流王座が△5二銀打を着手)

観戦
(そして西遊棋イベントの一般観戦者が入ってきた)

Joryu_ouza201611030101_45_212時、昼食休憩に入りました。この局面で加藤女流王座が使った時間は10分。消費時間は▲里見40分、△加藤1時間1分。両者には芝苑特製の豪華昼食が出されます。対局は13時から再開されます。