2014年7月18日 (金)

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矢内女流五段が中村女流二段の玉を追う。しかし駒が足りず、仕留めるまでには至らない。逆に先手は豊富な持ち駒で後手玉に詰めろをかけている。後手はただ受けるだけでは一手一手の寄りになってしまうので攻防手を見つけたいが、現状はその手段が難しい。形勢は先手優勢ではっきりしたようだ。

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図は△6七桂不成と金を取った手に対し▲5八玉と上がった局面。後手が調子よく迫っているようだが、先手玉も右辺に逃げ出せる形になった。図から△6六桂は▲4七玉△6八馬▲6六馬と、先手の駒も急所に利いてくる。先手は駒が入れば▲2三香成から一気に後手玉を詰ます筋もあるため、後手はむやみに駒を渡すわけにはいかない。自玉と相手玉、双方の詰み筋を同時に読む必要があり、精度が求められる厳しい局面だ。

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矢内女流五段は△6六香(図)と打って飛車に狙いをつけた。互いに桂香を使って攻める展開になっている。実戦は図から▲2五歩と進行。後手は飛車を取れば駒得になるが、玉頭のキズが不安要素で、攻め合いになれば先手の持ち駒の桂香は大駒並みに威力を発揮する可能性がある。終盤戦に入りつつあり、ここからは互いに玉までの距離を測りながらの戦いになる。