2012年11月10日 (土)

52島九段指摘の△7四歩が出た。控室では「大反省の一手」という言葉が出ている。

図では▲2四歩が見えるが、決着をつけるつもりなら▲7五歩もある。島九段はこの攻めを「こじ開け流」と称した。
進行の一例は▲7五歩△同歩▲同銀△4五銀直▲同歩△5五桂▲5六金△6七桂成▲同金△4九角▲7八銀△7六銀▲6八金(参考図)。


S52参考図で後手陣には▲7四歩や▲4四桂のキズがある。この展開は先手が良さそうという評判。

51 △4九角に▲6七角△同角成▲同銀右で図の局面。ここで後手は手が難しいようだ。
島九段は「悔しいけど」と前置きして「△7四歩のような手が最善なのかもしれません」。戻って46手目△7六歩では別の筋から手を作りたかったとのこと。


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(控室の検討を見守る島九段)

48_2右桂をさばいた先手に対して、加藤女流王座は△7五歩▲6六歩△7六歩▲同銀△4九角と反撃した。
ちなみに大盤解説会では▲7六同銀の局面で「次の一手」クイズが出されたそうだ。候補手は△4九角以外に、△8六歩、△7四歩、△6三金、△6三銀、△4五銀直。非常に手の広い局面だったようだ。その中でも△4九角は攻めを重視した一手と言える。


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(昼食休憩明けの加藤女流王座)

対局者にはケーキが2つずつ出される。
加藤女流王座は「少し早めに」とリクエストしたそうだ。
盤上は緊張感を増している。15時過ぎでは食べている時間がないかもしれない。

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(プリンセスとガトーショコラ)

40再開後の一手は▲4五歩。角換わりでは定番の仕掛けで開戦した。ただし定跡形とは微妙な形の違いがある。

観戦記担当の島九段は次のように解説する。



<39手目コメントから抜粋>
「△4五同歩▲同桂には△4六歩がひとつの手筋ですが、これは▲3三桂成△4七歩成▲3二成桂△同玉▲4七銀△3九角▲2七飛(参考1図)で先手よしです。このとき△1五桂がないんですね。(手順中▲3三桂成に)△同桂は▲4八金△4四桂▲2七飛(参考2図)でこれも先手よしです」(島九段)

参考1図で△5七角成には▲6八金打で先手陣が堅い。

40s

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(検討風景。いきなり終盤になる変化もあり、島九段は頭を抱えていた)